恋人を射ち堕とした日二番目の記憶…
弓がしなり弾けた焔 夜空を凍らせて
凛と蒼く別離(わかれ)の詩を 恋人(アナタ)を射ち堕とす…
遠い日の忘れ物 引き裂かれた傷痕
呪われし約束をその胸に宿して
「避けられぬ終焉は せめて愛しいその手で…」
抗えぬ衝動の闇が彼を包んだ…
歪む世界螺旋の焔 輪廻を貫いて
凛と緋く血塗れくちづけ 恋人(アナタ)を射ち堕とす…
忘レモノハ在リマセンカ…?
古の伝説 その魔物に傷を負わされた者は
呪いが全身を駆け巡り
やがては同じ魔物に成り果てるだろう…
その傷を負ったのは…
それは二人が出会ったあの日まで遡る
彼が彼女を助けた時に負った傷
全ては出会った時から始まっていた…
出会いは喪失への約束…
枯れ果てた涙は 哀しみの蒼い焔を宿し
銀色に輝く矢を放つ
何度でも 唯...彼が息絶えるまで…
ロスト
愛する人を失った世界には
どんな色の花が咲くだろう?
月を抱いた十字の焔 茨を捲きつけて
凛と白く最期の弓矢(アロー) 私を射ち堕とす…
愛する人を失った世界には どんな色の花が咲く…
檻の中の遊戯四番目の記憶…
薔薇を想わせる緋色の口紅(ローズレッドルージュ) 唇には嘘吐きな約束を
昇り詰めて崩れ堕ちた その夜に花束を…
檻の中の遊戯… 寂れた洋館 追い詰めた壁際 美しき獲物
檻の中の遊戯… 軋む床 浮き上がる身体 月明かり差し込む窓辺…
細い頸に絡みついた 浅黒い指先が
食い込んでも離さないで 最期まで抱いていた…
檻の中の遊戯… 仄蒼い庭 錆付いたスコップ 花を敷き詰めた棺
檻の中の遊戯… 突然の閃光 歪んだ銃声 眩い環状の終端…
あの悲鳴は(うたごえが)葡萄酒(ワイン)のように 罪は月夜より甘く
堕ちてゆく詩は狂気(ルナ)を孕んで 闇を照らし躍らせる…
煌く瞬間(とき)の宝石(いし)を 集めては打ち砕く
忘れるまで思い出して 失うまで逃がさない…
檻の中の遊戯… 歪な螺旋 幾度目かの覚醒 あの笑い声が響く
檻の中の遊戯… 早くしなければ また夜が明けてしまう もう一度この手で彼女を…
懐かしい屋根裏の調べ…
追憶は甘い果実 水面に揺れる淡い月のように
檻の外へ手を伸ばしても 滑り堕ちる針は止められない
蛹はいづれ蝶になると知り 逃げないよう羽を毟る
せめて愛し合った証が欲しい 永遠に消えない傷痕を…
忘レモノハ在リマセンカ…?
法が統べる檻の中で 終われない悪夢(ゆめ)を視ている
愛しい女性(ひと)を永遠(とわ)に渡り 殺め続ける物語…
その檻の中にいるのは誰…?
緋色の花六番目の記憶…
赦さない…赦さない…
昏い森に横たわる 手負いの兵を囚えた
少女は闇を見つめて 紅玉(ルビー)の微笑(えみ)を浮かべた…
緋い空を見上げてた 風に流される茜雲
沈まぬ夕陽を見上げてた 幾千の影が森を駈けてゆく
偽りの黄昏に染った 戦場を焦がした焔は揺れ躍る
唯守るべきモノの為『私』は戦う
けれど大地に縛られた身体は動かない…
忘レモノハ在リマセンカ…?
少女の囁きは森の魔性
我を穢す者には災いを 終わりなき呪われた輪廻を
忘レモノハ在リマセンカ…?
彼らを突き動かす法則
大切なモノを守る為 大切なモノを奪い続けるという矛盾
ねぇ…本当に大切な物って何?
指針となるのは主観と謂う名の怪物(モンスター)
鳴呼…また一輪… 兵隊が花を踏みつけて行く…
忘レモノハ在リマセンカ…?
狂った自我(エゴ)が視せる幻想(まぼろし) 歪な螺旋を描いて繰り返す
醒めない悪夢に苛まれ続ける『ワタシ』は
柘榴石の雨のような(Like the Rain of Garnet) 鮮血に染まった緋色の花(フラワー)
忘レモノハ在リマセンカ…?
森の彼方から足音響かせ駈けて来る
鳴呼…『私』が『ワタシ』を踏み潰しにやって来る…
(赦さない…赦さない…)
エルの肖像白い結晶の宝石は 風を纏って踊る
樹氷の円舞曲 遠く朽ちた楽園
黒い瞳孔(め)の少年は 風を掃って通る
樹氷の並木道 深い森の廃屋
少年が見つけた 少女の肖像画
『彼』は病的に白い 『彼女』に恋をしてしまった...
幼い筆跡の署名(Sign) 妙に歪な題名(Title)は
【最愛の娘エリスの8つの誕生日に...】
退廃(Decadence)へと至る幻想 背徳を紡ぎ続ける恋物語(Romance)
痛みを抱く為に生まれてくる 哀しみ
第四の地平線──その楽園の名は『ELYSION』
──そして...幾度目かの楽園の扉が開かれる……
やがて少年は彼の《理想》(idea"L")を求めるだろう...
やがて少年は彼の《鍵穴》(keyho"L"e)を見つけるだろう...
やがて少年は彼の《楽園》(e"L"ysion)を求めるだろう...
やがて少年は彼の《少女》(gir"L")を見つけるだろう...
娘もまた母になり 娘を産むのならば
楽園を失った原罪を 永遠に繰り返す……
始まりの扉と 終わりの扉の狭間で
惹かれ合う『E』(EL)と『A』(ABYSS)──愛憎の肖像
禁断に手を染め 幾度も恋に堕ちてゆく
求め合う『E』(EVA)と『A』(ADAM)──愛憎の肖像
やがて少年は♂(オトコ)の為に自らを殺し 少女は♀(オンナ)の為に自らを殺す
時の荒野を彷徨う罪人達は 其処にどんな楽園を築くのだろうか?
──幾度となく『E』(Elysion)が魅せる幻影 それは失ったはずの『E』(Eden)の面影
嗚呼...その美しき不毛の世界は 幾つの幻想を疾らせてゆくのだろう──
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